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「働きたくても働けない」を解決する2つの提案 キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(3)
Sohn und Mama
Sohn und Mama / mueritz


女性活用を阻む4つの壁について、数回に分けてお届けしています。
今回は3つ目、「柔軟ではないルール」についてのお話です。

ずっと疑問だったのが、
「せっかく産休・育休制度があるのに、何で出産のタイミングで辞めるヒトが多いんだろう?」
ということでした。

キャリアカウンセリングの現場で、よく女性のお客様に質問されるのが、紹介した会社について
産休・育休の取得実績はどのくらいですか?
というモノ。

つまり「制度はあっても、使っているヒトがいない」会社がある、と理解されているわけですね…
少子化が問題だ!と叫ばれてるのに、何で実態と合っていないんでしょうか?


今回は「なぜ女性は出産のタイミングで職を辞めるのか?」という観点から、その現状とワタシが考えている2つの解決方法について、まとめてみました。

●出産を機に仕事を辞めた女性の割合は6割
●フレックスタイム制と在宅勤務の推進
●子育てしている=優遇されるのではなく、子育てしている=アタリマエの社会を

以下、詳細です。
Jayanna am pfüsele
Jayanna am pfüsele / Ranger82


●出産を機に仕事を辞めた女性の割合は6割

国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査(2011年)」によると、調査を開始した1985年からずっと、出産を機に仕事を辞めた女性の割合は「約6割」のまま。

家事や育児に専念するため、自発的に辞める女性も4割くらいいますが(厚労省「21世紀出生児縦断調査(2012年)」)、「仕事を続けたかったけど、仕事と育児の両立の難しさで辞めた」女性も約35%います。

※解雇・退職推奨も約11%いるとか。男女雇用機会均等法で明確に禁じられているのに、です。

仕事を続けたかったけど両立が難しい」というのは、どういうことなのでしょうか?
主な理由は以下の通り。

・勤務時間があいそうもなかった(あわなかった)=57.8%
・職場に両立を支援する雰囲気がなかった=45.1%
・自分の体力がもたなそうだった(もたなかった)=44.1%


育休・産休は法律で定められていますが、2012年から短時間勤務制度(いわゆる「時短」)も義務化されたことはご存知ですか?
改正育児・介護休業法の全面施行は2012年7月1日から)

それなのに、「勤務時間があいそうもなかった」というのは謎ですよね。

コレはあくまでワタシの想像ですが、
・そもそも、長時間労働が前提の働き方をしている
・そのため、時短で帰りにくい or やりがいのある仕事を任されない(≒出世コースから外れる)
というのが大きな障害になってるんじゃないかな、と感じます。


両立を支援する雰囲気がなかった」、実はコレが一番難しいのでは…と思います。
男性だけでなく、独身女性や子どもを持たない既婚女性から、心ない言葉をぶつけられてしまうことがあります。

ワタシは、育休から復職する方のキャリアカウンセリングもしていますが、話しながら泣いてしまう方も少なくないです。
ココには書けないような酷いことを言われている方も、現実にいます。

Jayanna am Geburifest vom Ossi
Jayanna am Geburifest vom Ossi / Ranger82


●フレックスタイム制と在宅勤務の推進

「働きたくても働けない」を解消するための1つ目の提案は、
フレックスタイム制や在宅勤務など、多様な働き方を認める
ことです。

フレックスタイム制(出社・退社の時刻を労働者が決められる)を導入している会社も最近は増えてきました。
「女性活用」に絞ったメリット・デメリットは以下のようなことが考えられます。

*メリット
・7時〜16時退社など、時短制度の有無にかかわらず、延長保育を使わなくても保育園のお迎えに間に合う
・職場近くの保育園に預ける場合、通勤ラッシュを避けることで、通勤の負担が減る
・雇用主側からすると、出産による優秀な人材の流出を防ぐことができる

*デメリット
・取引会社や他部門との連携を行なうときに、時間の設定が難しいケースがある
(現実には導入できる職種が限られやすい)


また、セキュリティの問題やネットワークの問題がクリアになれば、在宅勤務は一気に現実的になりますよね。
IT系企業に勤める友人は、子どもが急に熱を出した時などは在宅勤務に切り替え、出産前と同じポジションでバリバリ働いています。

ただ、アメリカでは在宅勤務の導入率が4割を超える(参照:プレジデント・オンライン「「在宅勤務」導入率42%の米国にみる3つの効用」)のに対し、日本での導入率(常用雇用者100人以上の企業)は12.1%に留まっています(総務省「平成23年版 情報通信白書」)

もっと広がればいいのにな…と思うんですが、なかなか難しいようです。


Mami du kensch mi afang...
Mami du kensch mi afang... / Ranger82


●子育てしている=優遇されるのではなく、子育てしている=アタリマエの社会を

育休から復職した女性は、職場で肩身の狭い思いをしている―確かに、そういう企業が多いのも事実だと思います。

一方で、育休制度を逆手に取っている女性も、残念ながらいます。

育休は、あくまで「休業後に復帰することが前提」の制度です。

「子どもが病気がちで復職は厳しい」「育児が想像していた以上に大変」
もちろん、やむを得ない理由で育休中に退職していく女性もいます。

でも、育児休業を利用すれば、その間は社会保険料も免除(=保険料を納めたことになる)されるし、育児休業給付金も支給されるます。

そして、育児休業後復帰せずに退職したからと言って、育児休業給付金を返還したり、免除となった社会保険料を遡って支払う必要はありません。

会社の規定に、育児休業の対象者は「休業後も引続き勤務する意思のある者」というような一文があることが多いんですが、法律上の拘束力はありません(「意思のある者」っていくらでも理由を付けられますよね…)

「復帰しないで辞めるつもりなんだけど、育休は取りたいんですよねー」
こんな風にケロッという女性も、実際にお会いしたこと、何度もあります(仕事なので精いっぱいお手伝いしますが、気持ち的には微妙です…)


実際、職場に育休や時短制度を使う社員がいると、他の社員に仕事のシワ寄せがいくのは当然ですよね。
長く続いた不況によって、育休・時短制度を利用する社員がいるからといって、人材を補填するのはなかなか難しいのが現状でしょう。

文句を言いたくなる気持ちも、分からなくはないです。
言葉には出さなくても、周囲の態度や雰囲気で「迷惑をかけてるな…」って思ってしまう女性もいると思います。


そうじゃなくて、子育て中の社員がいても、持続可能な構造をつくることが急務なのではないでしょうか(もちろん、一筋縄じゃないのは解っていますよ)

その実現のためのヒントが、前述のフレックスタイム制・在宅勤務の推進と、「長時間労働の規制」だとワタシは考えています。

子育て中の女性だけでなく、社員全員が「週30時間労働(=1日6時間)」だったら、不公平感は解消されるのではないでしょうか(実現している会社の1つに、ZOZO TOWNを運営しているスタート・トゥデイがあります)

業種によっては週30時間労働は現実的じゃない、ということもあると思います。
それなら、育休や時短制度がしっかり機能している欧州諸国のように、同一賃金で成果を評価する制度にしたらどうでしょうか。

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■編集後記■

長くなりましたー。

いつもカウンセリングしていて思うのは、
「働く女性」と一口にいっても、仕事に対する価値観や希望は人それぞれ
ということ。

「キャリアを積んで働き続けたい」「子供ができたら、適度に働きたい」
どちらが良い・悪いではなく、どちらも実現できる社会になったらいいのにな、と強く強く思います。

「本当は働きたくないけど、経済的な理由からしかたなく働く」と言う女性もいます。
30〜34歳の男性の平均年収は、1997年は最多層が500〜699万円だったのに対し、2007年には300〜399万円が最多層になっています(総務省 統計局「就業構造基本調査」)

要するに、10年で200万円ダウンしてるんですねー・・・

幼稚園〜大学まで子育てにかかる費用は、1000万〜2000万円超と言われる中、世帯収入が400万円だと厳しいのが現状です(参照:文科省「子どもの学習費調査」/日本政策金融公庫「教育費に関する調査結果」)


ちなみに、一旦正社員を辞めてしまうと、出産後に正社員として復帰する率はかなり低くなります。
出産前のキャリアと全く関係のない職種でパート勤務する方も。

もちろん本人の意思であればOKですが、「やむを得ず」その職を選んでいるのであれば、あまりにモッタイナイ。
キャリアカウンセリングの現場では、いつもこうした悩みを持つお客様と向き合っています。


ではまた!
問題がフクザツに絡みあいすぎて、アタマから煙が出そうな踊るOL(@jaggyboss)でした!


<シリーズ「キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁>

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