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【まとめ】キャリアカウンセリングの現場から見た女性活用4つの壁
Family having lunch at restaurant
Family having lunch at restaurant / Tetra Pak


ワタシの周囲では最近、パパ・ママになる友人や、子育て支援や女性活用に関する仕事に就いている友人、本を書いたり、大学で教えたりしている友人が増えてきました。

安倍政権のウーマノミクスに代表されるような、「大きな話」をすることも大切だけど、現場の声ってちゃんと届いているんだろうか?
そう思って始めたのが、「キャリアカウンセリングの現場から見た女性活用の壁」シリーズです。

ワタシは、女性活用問題について、専門家として研究しているわけでも、著書を書いたりしているわけでもありません。
しかし、普段接する求職者の方は、圧倒的に女性が多く、中でも子育て中の方・これから子どもを産みたいと考えている方が非常に多いです。

なので、カウンセリングの現場から聞こえてくる声を、少しでもすくい上げて、ブログで発信することで、何らかの「考えるキッカケ」になれば、と考えています。

キャリアコンサルタントから見た「女性活用」を阻む4つの壁。 | 踊るOL。
 まずは導入というか問題提起。

待機児童問題ってナニ? キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(1) | 踊るOL。
 第1の壁:待機児童問題

労働時間より成果で評価する社会にしよう キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(2) | 踊るOL。
第2の壁:長時間労働

「働きたくても働けない」を解決する2つの提案 キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(3) | 踊るOL。
第3の壁:柔軟ではないルール

女性が社会進出するなら、男性も「家庭進出」しよう キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(4) | 踊るOL。
第4の壁:家事・育児の負担割合が、女性のほうが圧倒的に高い

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■まとめ■

今回は「4つの壁」として挙げましたが、他にも様々な課題があるでしょうし、1つ1つの「壁」の中に、いくつもの問題が絡み合っています。

記事では、現場の声+各問題の概要となるデータや資料を紹介しました。
調べれば調べるほど思うのが、「なぜこんなに分かりにくいモノを作るんだろう?」ということ。

「データは原典に当たれ」が基本ですが、普段から数値データを見慣れないヒトからすると、膨大な数字を見ても「で、結局どうなの?ナニが言いたいの?」となってしまうのではないかと感じます。
(ワタシ自身、数字を読むことに、苦手意識があります…)

また、「女性活用」という切り口で書いてきましたが、「長時間労働」や「働き方の柔軟性」「パワハラ問題」など、「働く」を軸に考えた際、問題はそこかしこにあります。

今後も不定期でキャリアを軸に記事をアップしていこうと思うので、「こういう問題について知りたい!」ということがあれば、コメントやFB・Twitterでメッセージいただければと思います。


ではまた!
たまにマジメなことを書くと、自分のキャラ設定に迷う踊るOL(@jaggyboss)でした!
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女性が社会進出するなら、男性も「家庭進出」しよう キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(4)
With papa
With papa / oksidor


少し間が空きましたが、4回にわたってお届けしてきた「女性活用の壁」
最後の壁は「家事・育児の負担割合が、女性のほうが圧倒的に高い」です。

2010年頃から「イクメン」という言葉を耳にすることが多くなってきました。
たしか、2010年の流行語大賞でもTOP10に入ってましたね。

この言葉が浸透したキッカケを調べてみたところ、長妻昭労働大臣が少子化打開の一助として「イクメンという言葉を流行らせたい」と国会で発言し、男性の子育て参加や育児休業取得促進などを目的とした「イクメンプロジェクト」を始動させた(2010年6月17日)のが発端のようです。

同プロジェクトの公式ツイッターアカウントもあるそうな。
(イクメンプロジェクト公式ツイッター:@ikumen_project


確かに、ワタシの周囲でも「イクメン」が増えてきたように感じています。
でも、本当に「イクメン」は増えているのでしょうか?

厚生労働省の平成24年度「雇用均等基本調査(結果概要-事業所調査/PDF)」によると、男性の育児休業取得率は1.89%しかありません。

ちなみに、前年度は2.63%だったので、取得率は下がっていることになります。
(女性の取得率は83.6%(前年度調査 87.8%))

※ちなみに、男性の育休取得率は、平成29年度(2017)までに10%に引き上げるという目標が設定されています。


も、目標って達成できるのかしら…?

というわけで、今回は、
 *なぜ男性の育休取得率を上げるのか?
 *男性の育休取得率が上がらない理由

という切り口で書いていきます。
 
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「働きたくても働けない」を解決する2つの提案 キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(3)
Sohn und Mama
Sohn und Mama / mueritz


女性活用を阻む4つの壁について、数回に分けてお届けしています。
今回は3つ目、「柔軟ではないルール」についてのお話です。

ずっと疑問だったのが、
「せっかく産休・育休制度があるのに、何で出産のタイミングで辞めるヒトが多いんだろう?」
ということでした。

キャリアカウンセリングの現場で、よく女性のお客様に質問されるのが、紹介した会社について
産休・育休の取得実績はどのくらいですか?
というモノ。

つまり「制度はあっても、使っているヒトがいない」会社がある、と理解されているわけですね…
少子化が問題だ!と叫ばれてるのに、何で実態と合っていないんでしょうか?


今回は「なぜ女性は出産のタイミングで職を辞めるのか?」という観点から、その現状とワタシが考えている2つの解決方法について、まとめてみました。

●出産を機に仕事を辞めた女性の割合は6割
●フレックスタイム制と在宅勤務の推進
●子育てしている=優遇されるのではなく、子育てしている=アタリマエの社会を

以下、詳細です。
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労働時間より成果で評価する社会にしよう キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(2)
Hard work can hurt
Hard work can hurt / normalityrelief


少し間が空きましたが、キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁の2つ目、
長時間労働
についてのお話です。

ワタシがいま働いている会社は、ある程度スケジュールをコントロールすることができるので、定時に退社することも充分にできますが、これまで勤めてきた会社は、いずれも残業アタリマエの環境でした。

※残業が絶対にダメ!というわけではないですし、これまで勤めてきた会社について、感謝こそすれ不満はありません。念のため。

これまで勤めた会社は2社ともフレックス制だったので、そもそも「定時」という考え方が無かったんですね。
いま思えば、もっと効率よくシゴトを進めることができたのかもしれない…という気もしますが、当時はそんなヨユウもなく、毎日22〜23時まで残業していました(遠い目)


長時間労働の問題点についてはイロイロとありますが、今回は「女性活用」の視点で見たポイントに絞ってお伝えします。

40+293 Snooze
40+293 Snooze / bark


●長時間労働の問題点

まず、長時間労働が「女性活用」という視点において、具体的に何が問題なのかを明らかにしてみましょう。

1)長時間労働がアタリマエな会社で働く女性は、出産後、同じように働けない…と離職してしまう
⇒年金の払い手が減る→国の財政負担が増える→税金が上がる

2)核家族化が進む現代では、夫婦で育児を担う必要があるが、夫が長時間労働だと家事・育児の負担のほとんどが妻に集中する
⇒夫婦不和につながるリスク&産まない or 2人目は諦める家庭が増える→少子化

3)夫婦ともフルタイムで働くと、延長保育が必要
⇒保育費の負担増&延長保育は保育園の赤字を生み、そのまま自治体の赤字化を招く

分かりやすくするため、敢えて簡略化して挙げました(あくまで、ワタシが考えている問題点です)

他にも、
*会社(雇い主)側から見ると、残業代を支払うことで人件費が上がる・雇用者のモチベーションダウンにより、生産性が低下する
*働く(雇用者)側からすると、過重労働による心疾患(うつ病など)のリスクが高まる・ワークライフバランスの低下により仕事や家庭において問題が生じる

など、問題点を上げればキリがありません。


Working Hard
Working Hard / Stephen Korecky


●「残業=シゴト頑張ってる」は大間違い

内閣府が昨年11月に発表した『「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果速報について』というレポートの結果は、長時間労働の解消を覆すような内容でした。

調査によると、労働時間が長いヒトほど、上司は長時間残業を前向きに評価している」と考えているそうです。

ややこしいですが、「上司が実際にそう評価している」わけではなく、部下が自分の上司に対して「長時間労働=高評価される」と「思っている」んですね。

1日の労働時間別に見ると、「上司が残業している部下にどんなイメージを持っていると思うか」という問いに対して、12h以上働いているグループでは、53%が「がんばっている」と好意的に考えていると答え、10h未満のグループ(38%)より、10ポイント以上高い結果となっています。


確かに、「早く終わっても、上司が残業していると帰りにくい」という話は昔から耳にします。
長時間労働の問題が叫ばれ続けていますが、10年前からあまり変わっていないんじゃないかな…という印象ですよね。

女性活用問題から外れるので多くは書きませんが、労働生産性が低いと言われる日本。
そろそろ、労働時間数ではなく、成果で評価されても良いのでは?

時短勤務だけど以前と同じ成果を出している女性は、もっと評価されても良いのになと思います。

単位時間あたりの成果が高くなったわけですし、男性社員にも見習うべき点はたくさんありそうですよね(某食品メーカーさんは、時短勤務で高い成果を上げている女性社員を講師として、社内向けに勉強会を開催しているそうです。素晴らしい!)

God could not be everywhere, so he created mothers.
God could not be everywhere, so he created mothers. / legends2k


●産休・育休から復帰できない…それって違法じゃないの?

「預け先の保育園が決まらないので、職場復帰できない」
こういう声は非常によく聞きます(結果として、育休延長の手続きを取る方も多いです)

それよりは少ないものの、よくお客様から相談されるのが、
「保育園も決まったし復帰したいんだけど、"キミの椅子は無い"って言われた…」
という声。

いわゆる「育休切り」という問題。

運悪くこのような状況になってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか?

イチバン確実なのは、自分の管轄エリアの労働局に相談に乗ってもらうことです。
(参考:東京都の管轄エリア一覧

労働局には「雇用均等室」という部署があり、育休法(育児・介護休業法)を扱っています。

でも実は、相談してどうなるか?と言うと、どうにもなりません…

2009年に厚労省が、「現下の雇用労働情勢を踏まえた妊娠・出産、産前産後休業及び育児休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱い事案への厳正な対応等について」という通達を出していますが、あまり意味を成していないように思えます。

労働局に相談すると、労働局長の名前で、会社に対して指導や助言が入ります(男女雇用機会均等法に基づく)

けど、コレって何の強制力も無いんです。。。
(違反内容によっては、企業名が公表されたり、罰則が適用されたりしますが)

法律でも、育休を理由に解雇してはならない、としているだけで、別の理由がある場合はOKなんです。
なので、企業は絶対に育休を理由に解雇する、とは言いません。。


ちなみに、産休はまた別の法律が管轄しており、産休中(産前産後休業中)に解雇された場合は、労基法違反となるので、労働基準監督署に必ず申し出をしましょう(泣き寝入りしちゃダメです!)

※産休中と産休明け30日間は、理由を問わず解雇できない、と法律で明確に定められています(労基法第19条/天災など一部例外あり)


どこに相談したら良いか分からない場合は、総合労働相談コーナーに相談してみましょう。
全国にあり、労働に関するあらゆる問題について、専門の相談員が面談・電話で相談に乗ってくれます(相談料は無料)

Working Hard
Working Hard / duncan.ben


●まとめ:長時間労働を解消するには、どうすればいいのか?

じゃあ、どうすれば長時間労働は解消されるの?
というハナシになるんですが…難しいんですよね、イロイロと。

「まずはトップの意識改革を」とか「評価制度を変えよう」とか、いろんな議論がありますが、一朝一夕にはいかないようです。

EUでは「EU労働時間指令」という長時間労働規制が法律で定められていますが、日本でも法規制をするなど抜本的な改革が必要なのでは…と思います(参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「労働時間規制に係る諸外国の制度についての調査」)


あと、忘れてはいけないのが、「不公平感の解消」です。

「女性活用」「ダイバーシティの推進」など、確かに重要ですし、今後絶対に取り組まなければならないことだとは思います。

しかしながら、ワーキングマザーだけを優遇すると、男性や子どものいない女性は、どうしても不公平感を持ってしまいがちなのも事実です。
(だから、時短勤務の女性は職場で肩身の狭い思いをしているのも、また事実なのですが)

待機児童や少子化問題を身近に感じられないヒトも多いと思います。
年金の払い手が減ると、自分の生活にどう影響するのか?なんて、普段は意識していないヒトがほとんどなのではないでしょうか。

これらの問題を「自分ゴト」として捉えることも大切ですが、何よりワーキングマザーだけでなく、全社員が短時間勤務を選択できる社会を作ることがカギになるのでは、とワタシは考えています。

そうすれば、時短勤務のワーキングマザーが早く帰る→残った男性社員や子どものいない女性にシワ寄せがきて長時間労働を強いられる→ワーキングマザーは肩身が狭い&長時間労働者は不平不満が高まる

という図式から抜け出せるのではないかと。

そのためのポイントが「労働生産性」という視点を、人事評価に含めることだと思います。
が、なかなかコレも難しいんですよね…前述の某食品メーカーのような時短で好成績を残すヒトが評価される企業が増えると良いな、と願っています。

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■編集後記■

現場(ワーキングマザーたち)の声って、どこまで行政に届いてるんだろう…と、彼女らの相談に乗るたび、いつも考えてしまいます。

政策を決めるのは圧倒的に男性が多い&彼らが幼い頃は、共働き世帯の少なかった時代なので、「オンナは子どもを産んだら(or結婚したら)、家庭に入るのがアタリマエ」と思っても仕方ない世代ですよね。。。全員がそうとは言いませんが。

差し迫った問題ではないから後回しにされている、という感が拭えないのはワタシだけでしょうか。

今回のような問題は、いろんな視点があるし、卵が先か鶏が先か的な話になってしまいがちで収拾がつかないなと思うんですが、そろそろ何とかしないとホントにどうしようもなくなってしまうよ…と思います。

企業の自助努力じゃ限界があるし、大企業や外資系企業以外は旧態然としたまま、ということも少なくありません。

「定時で帰るのがアタリマエ」「残業したら評価が下がる」というような社会になることを願っています。


ではまた!
早く帰るスガタを見せるのも、先輩社員としての役割だよ!と思って今日も定時に上がる踊るOL(@jaggyboss)でした!


<シリーズ「キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁>

キャリアコンサルタントから見た「女性活用」を阻む4つの壁。 | 踊るOL。

待機児童問題ってナニ? キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(1) | 踊るOL。

「働きたくても働けない」を解決する2つの提案 キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(3) | 踊るOL。


 
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待機児童問題ってナニ? キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(1)
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IMG_2976 / emilygoodstein


前回、女性活用の壁になっている4つの問題点を挙げました。
その1つめに挙げたのが、「待機児童問題」です。

「待機児童」ってよく聞くけど、具体的にナニが問題なの?どういうことなの?と思われている方も多いのではないでしょうか?
(お子さんのいらっしゃらない方はピンとこなくても仕方ないかと)

今回は、ワタシが日々接している、出産後の復職を希望する求職者の方たちの実情を踏まえながら、待機児童問題について紐解いてみたいと思います。


●保育所の数が足りない

一般的に子どもの預け先として知られているのは、「保育園」と「幼稚園」。
「幼稚園」は基本的に保育園と比較すると、子どもを預けられる時間が短い=共働きの家庭には適しにくいとされます。
(「預かり保育」を実施している園も増えてきてはいますが)

となると、共働きの家庭の子どもの預け先は、必然的に「保育園」ということになります(両親が近隣に住んでいる場合等を除く)

厚労省の報道発表資料「保育所関連状況取りまとめ(2012年4月版/PDF)」によると、全国の保育所数は24,038ヶ所とのこと。

保育園は大きく分けて、「認可保育園」と「認可外保育園(いわゆる「無認可保育所」」に分かれます。
認可外の保育園の中で、東京都独自の制度である「認証保育所」というものがあります(横浜市・仙台市・船橋市なども、独自の認証保育所制度があるそうです)。

認可と認可外の違いは、入所対象・開所時間・基準面積・費用・申し込み方法など、様々です(ココでは詳しく解説はしません)
認証保育所は、認可と無認可のちょうど中間くらい。

ちなみに、企業や大学などが開設している保育施設も、認可外となります(認可・認証保育所は公的補助金が投入されるため、特定組織の構成員のみに利用者を限ることはNG)


前述の厚労省の資料によると、約2.4万ヶ所ある保育所の定員は、228万8,819人で、利用している子どもの数はを221万9,581人となっています。
なんだ、足りてるじゃん!なーんて思わないでくださいね?

以下の「全国待機児童マップ(都道府県別)」(出所:厚生労働省資料11ページ目) をご覧ください。


全国に約2.3万人いると言われる待機児童のうち、35%以上が東京都に集中しています。

1,000人以上の待機児童を抱える県は、大阪や福岡、沖縄など。
待機児童の半数以上(約68.5%)が特定の都府県に集中しているんですね。

個人的には、国の施策として待機児童の解消が進まないのは、都市部だけの問題=待機児童のいない県の理解が得にくいからだと考えています。

ぶっちゃけ、上の地図で白地(100人未満)の県にとっては、「関係ない」と思われても仕方ないのでは?と。

Safe Places to Play and Hang Out event at the Senedd / Digwyddiad Mannau Diogel i Chwarae a Chymdeithasu yn y Senedd
Safe Places to Play and Hang Out event at the Senedd / Digwyddiad Mannau Diogel i Chwarae a Chymdeithasu yn y Senedd / National Assembly For Wales / Cynulliad Cymru


●「潜在」待機児童の数はもっと多い

待機児童の定義とは、「保育所入所申請をしているにもかかわらず、希望する保育所が満員である等の理由で保育所に入所できない状態にある児童(Wikipedia「待機児童」より抜粋)」

つまり、「復職したいけど、どうせ保育園に入れないだろうな…」と思っている家庭は含まれません。
前述の厚労省の資料を見ると、待機児童問題は解消に向かっているように思えますが、コレはあくまで「認可保育所の待機児童」のこと。
それ以外の全ての待機児童は含まれていません。

この試算によると、潜在待機児童の数は最大で300万人以上とのこと。
あくまで試算値ではありますが、政府は公式に試算を発表すべきでは?と思ってしまいます。


キャリアカウンセリングの現場では、ちょうど今の時期、認可保育園に入れるかどうかの通知が届くので、ヒヤヒヤ・ハラハラします。。。
先ほども、とあるお客様から「認可、落ちました…」というメールが。。

保活(子どもを保育所に入れるために保護者が行う活動)」というコトバが生まれるくらい、ワタシの働く東京では認可保育園に入るのは激戦です。

年度途中の入園なんて、ほぼムリです。
一番枠が空きやすい4月入園ですら、「30人待ちです」と言われた方も。

Alan with Ms. Diane
Alan with Ms. Diane / lesliepear


●保育園は儲からない

待機児童問題を解消するなら、保育所を増やせばいいじゃん!と思ってしまうんですが、実情はなかなか難しいようです。

保育料は自治体や所得によって差がありますが、仮に1ヶ月の保育料を5万円と仮定します。

厚労省が昨年7月に発表した国民生活基礎調査によると、2011年の1世帯あたりの平均所得は548万2,000円なので、単純に月割にすると約46万円ですね。
つまり、保育料は月の所得の約11%に相当します。

仮に10人の子どもを預かる保育所があるとすると、保育所の収入は
5万円×10人=50万円
となります。

保育士が1人いるとして、前述の月の平均所得46万円を給与として支払うと、
50万円−46万円=4万円
ここから、さらに光熱費や固定資産税などの場所代が引かれると、確実に赤字ですよね?

しかも、内閣府の「保育の現状」という資料によると、認可保育園には保育士の配置基準が定められています。
つまり、保育士1人で10人の子どもを預かることはできないんですね。。。

となると、必然的に保育士さんの給与を削ることになります。
(認可の場合、子ども1人あたりに確保するスペースが定められているので、場所を狭くすることはNG)

厚労省の推計では、潜在保育士は60万人以上と言われています。
資格は持っているけど、保育士として働きたくない理由で最も多いのが「賃金が合わない(47.5%)」


ベネッセ教育総研次世代育成研究室が実施した「第2回幼児教育・保育についての基本調査」(2012年10月〜12月実施)によると、保育士の数は現時点ですでに不足しているとのこと。

政府は「待機児童解消加速化プラン」として、5年間で待機児童ゼロを目指す、という方針を打ち出していますが、保育所が増える=保育士の確保も必要ということ。


待機児童の問題、と言っても、問題はあちこちに散らばっています。

都心には新築マンションがバンバン建っていますが、保育所の設置とセットじゃないと建築を許可しないとか、法律で決めちゃえばいいのに…と思うのはワタシだけでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■まとめ■

待機児童の問題、いろいろ調べてみましたが、だいぶフクザツですよね。

待機児童がほぼゼロのスウェーデンでは、以下のように法整備されているそうです。

自治体は、親が保育園の入園を申し込んでから3〜4カ月以内に席を提供することが法律で義務付けられている。私立も公立と同等の補助金が出て、保護者は同じ保育料金ですむ。

家庭で1歳未満の子どもは育てられるように、親に育児休暇中の経済的な支援体制が確立されている。スウェーデンでは給与の80%が支給されている。元の職場に復帰できる権利の保障がある。

幼児を持つ親は、6時間勤務にしても良いことが法律で保証されているため、子どもは、12時間も保育園にいる必要がない。

1人の先生が30人も40人も見なければならないという体制は、子どもにも先生にとっても大変な負担。子ども1人1人の成長を支える理想的な体制は、1クラス18人くらいで先生が3人。

50人くらいの小規模の保育園でも採算がとれるようにし、子どもに目が行き届くような保育と教育ができる。
(日経新聞「待機児童はほぼゼロ、スウェーデンの保育園の秘密」より抜粋)


日本とだいぶ違いますねー・・・

ちなみに、前回の記事をFacebookにアップしたところ、
*フランス=学生やベビーシッターに預ける
*シンガポール=メイドやNanny(乳母・ばあや)に預ける
というのが一般的だそう。

他国をうらやんでも仕方ないけど、日本で取り入れられることって無いのかな?

復職を希望するお客様からは、
働きたいけど預け先がない。
でも預けるためには、働かなくちゃならない
(自治体の入園順を決める点数が取れない)」
という悲痛な声が聴こえてきます。


政府の「待機児童解消加速化プラン」が上手くいくことを、ココロから願っております。


ではまた!
数年先の目標じゃなくて、今すぐ何とかしてよ!と叫びたい踊るOL(@jaggyboss)でした。

<シリーズ「キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁>

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キャリアコンサルタントから見た「女性活用」を阻む4つの壁。
Baroness Hanham with Leicester Business Women
Baroness Hanham with Leicester Business Women / Department for Communities and Local Government


最近よく耳にするようになってきた「女性活用」というコトバ。
ワタシの友人たちは、起業していたり、バリキャリ(バリバリ働くキャリアウーマン)なヒトが多いんですが、世間的には総理が「女性活用」と口を酸っぱくして掲げまくるくらい、活用できていないようです。

ワタシはキャリアカウンセラーとして、主に医療従事者(看護師・薬剤師)の方々の就職・転職・復職の相談に乗っており、まさにこの問題に日々ぶつかりまくっているので、たまにはシゴトに絡めた話題について書いてみようと思います。

※この発言は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。


●なぜ「女性活用」って騒がれているの?

発端は定かではありませんが、IMF(国際通貨基金)が2012年10月に発表したレポート、『女性は日本を救えるか?』が非常に分かりやすいです。

ものすごく平たく言うと、
 *日本の高齢化が世界のどの国よりも早く進んでいることへの強い危機感
*急速な高齢化と少子化で生産年齢人口(働く人の数)は激減する
*2050年にはピーク時の4割落ち込み、GDPは、ほかのアジア諸国を下回るという見方もある
*労働力の縮小を食い止める手段が、埋もれた潜在力=女性の活躍を促すことである

という感じ。

厚労省が発表している「働く女性の実情(2012年版)」によると、少しずつ改善されてきてはいるものの、先進諸国と比べると、いまだにM字型カーブの傾向が強いです。

※M字型カーブとは※
日本人女性の年齢階級別の労働力率(15歳以上の人口に占める求職中の人も含めた働く人の割合)をグラフで表すと、学校卒業後20歳代でピークに達し、その後、30歳代の出産・育児期に落ち込み、子育てが一段落した40歳代で再上昇し、アルファベットの「M」のかたちに似た曲線を描く傾向が見られます。「M字型カーブ」とはこのグラフの形態を指し、日本人女性の就業状況の特徴を表す用語としても定着しています。(人事労務用語辞典より)


第一子を出産した女性のうち、約6割が仕事を辞めてしまうんですね。
その後、再就職する女性は増えますが、半数以上が非正規雇用(パート・契約社員など)と言われます。

つまり、日本の女性は先進国の中で最も働いている人口が少ないんです。


でも、今後少子高齢化に伴って労働人口が減っていったら、日本経済は縮小する一方ですよね。
それを防ぐためには、女性を活用するしかない、というのが「女性活用」が騒がれている理由
です。

前述のIMFレポートによれば、「日本女性が先進国並みに働けば、一人あたりGDPが4%成長する」とのこと。
また、ゴールドマン・サックスの「ウーマノミクス3.0(2010年6月)」によれば、「男女の就業率格差を是正すれば、GDPは約15%成長する」とも言われています。

GDPの成長率の数値はさておき、いずれにしても女性活用によってGDPが大幅にアップすることは間違いないようです。

女性が働くことで、なぜGDPが上昇するか?をカンタンに言うと、
働く女性が増える→家計の収入が増える→消費が増える→需要が生まる→結果として経済全体のパイが拡大する ということですね。

Happy Mums day to me
Happy Mums day to me / Got Picz?


●女性は働きたくない?

「専業主婦は今やアコガレの的」「結婚したら働きたくない」というようなハナシをよく耳にしますよね。

<専業主婦になりたい的な参考サイト>
専業主婦になりたい独身女性必見!早く専業主婦になる方法
独身女性50.5%が「玉の輿」希望 -「専業主婦になりたい」「お金がほしい」


しかし、厚労省が発表している労働白書によると、少しデータが古いですが、「女性は職業をもたない方がよい」と考えているヒトは、たった1.7%です。みんな働く気マンマンです。

一般的に女性が職業をもつことについては、「子供ができてもずっと職業をつづける方がよい」とする割合が41.9%と高く、次いで「子供ができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつほうがよい」が37.0%、「子供ができるまでは職業ももつほうがよい」が9.1%、「結婚するまで
は職業をもつほうがよい」が5.4%、「女性は職業をもたないほうがよい」が1.7%となっている。
(「平成17年版 労働経済の分析 第2章 労働力供給の現状と課題」より引用)


なんで「専業主婦バンザイ!」的なことが言われているのか、サッパリ分かりません。。


●女性活用を阻む問題って何?

働く意欲のある女性は多い、けど、現状は充分に活用できていない―何でなんですかね?
(余談ですが、女性を「活用」するという表現、あまり好きじゃありません…)

ワタシが日々キャリアカウンセリングの現場で、復職を希望する主婦の方とお会いしていて、女性活用の壁となっている点は大きく分けて4つあると感じています。

1.待機児童問題
⇒預け先がない(無認可保育は保育料が高い/幼稚園はお迎えの時間が早い等)

2.長時間労働
⇒世界一の長時間労働と言われる日本。子どもが欲しいと考えている正社員の女性が躊躇する要因の1つ。

3.柔軟ではないルール
⇒育児や介護に合わせた働き方ができない。短時間労働・在宅勤務などを取り入れている企業が少ない。

4.家事・育児の負担割合が、女性のほうが圧倒的に高い
⇒フルタイムで働いて、家事も育児もカンペキにやるなんて、両親と同居or近所に住んでいないと無理。

もちろん、コレだけではないと思いますが、主に壁となっているのはこの4つかと。

長くなってしまうので、それぞれの問題については、また次回!


ではまた!
たまにはマジメなことも書いちゃうよ、とドキドキしてる踊るOL(@jaggyboss)でした!


<シリーズ「キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁>

待機児童問題ってナニ? キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(1) | 踊るOL。

 労働時間より成果で評価する社会にしよう キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(2) | 踊るOL。

「働きたくても働けない」を解決する2つの提案 キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(3) | 踊るOL。

 
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